空き家手帳 空き家の悩みをまとめて解決!

空き家の基礎知識

貸すときのポイント 賃料の維持には工夫が必要

地元の不動産会社に依頼する

空き家を貸すなら、まずはいくらで貸せるかを調べます。

たとえば物件検索サイトで近隣の物件の賃料を調べたら、その5%引きの価格がおおよその成約の相場になります。

その上で地元の不動産会社に借主を探す依頼をします。ここでは売却のとき同様、媒介契約の種類を選びます(「 不動産会社の選び方」参照)。契約のタイプは3つあり、物件の種別で選びます。

こうして現在の賃料がわかったら、次に気になるのが10年後、20年後の賃料です。当面はそれなりの賃料が見込めても、将来は競争が激しくなり賃料が下がったり、空室が大幅に増える可能性もないとはいえないからです。

将来の賃料を知るには、空き家のあるエリアの現在新築の物件と、(もし20年後の賃料を知りたければ)築20年の物件、それぞれの賃料相場を比較するとわかります。

賃料は新築時からだいたい年1%ずつ低下します。つまり新築から20年たてば新築時から20%賃料が下がって当たり前。新築と築20年の物件の賃料が20%ほどの差なら平均的といっていいでしょう。 もしこれより差が小さい場合は、将来も賃料の値下がりや空室率の上昇は比較的少ないと予想できます。なぜならそういうエリアは、もともと需要が強く、築年の古い物件でも埋まりやすいからです。

通常、借り手は、新築や築年の浅い物件を選ぼうとします。したがって借り手が少ないエリアでは築年の古い物件が余りがちで、空室率が高くなり、賃料を大幅に下げないと空室が埋まりません。 このため新築と築年が経った物件の賃料差が大きいエリアにある空き家を貸すなら、将来、空室率が高くなることも視野に入れ、少し長い目で計画をたてるようにしてください。

借りられやすい工夫をする

現在、賃貸市場は競争が激しく、賃料を維持するだけでなく、借主を探すこと自体が難しいことも珍しくありません。ただ工夫の余地がないわけではありません。

たとえば建物の大きさや間取りによっては、「シェアハウス」という形態の賃貸がいま注目されています。これは個室については複数の個人に貸す一方で、キッチンやリビングダイニングは共同で利用してもらう賃貸物件です。 借りる側にとっては家賃が抑えられたり、入居者同士の交流が図れることから、若い世代に人気がある一方で、貸す側にとっても、1世帯に貸すより複数世帯に貸す方が賃料収入が増えるため人気があります。

車にカーシェアリングがあるように、家も「シェア」するのが合理的でシンプルと考えるニーズは増えており、現在、日本国内にはこうしたシェアハウスが3万室以上存在しています。

また「DIY賃貸」も注目されています。

これは入居者が、自分の好みに合わせて壁紙を張り替えたり、棚をつけたりしても、解約の際に原状回復しなくていいという賃貸方式で、個性的に住みたい人たちに人気があります。

賃貸住宅では通常、契約が終了すると借主が室内の状態を元に戻す「原状回復」が必要で、以前はフローリングのキズやクロスの日焼け跡まで原状回復の範囲に含まれていました。しかしこれによって入居者との間で費用負担のトラブルが多発したことから、 現在では国土交通省の指導や東京都の条例などで、「通常の使用による経年劣化は原状回復の範囲に含まれない」というのが一般的になっています。

この賃貸方式は、特に築年の古い戸建ての空き家を貸すとき有効です。貸主はコストをかけて直さず貸せる一方で、借主は自由に直すことで理想の部屋に住むことができる。つまり双方のニーズが合った賃貸形態なのです。

まとめ

空き家を貸す場合にも、不動産会社に丸投げするのではなく、最低限の知識と工夫をすることで賃料収入に差がでます。

特に最近の住まいスタイルのニーズは多様化しており、入居者の希望に対して柔軟な対応をすることで間口が広がります。

本コンテンツは、『空き家は2018年までに手放しなさい(SB新書、2016年1月)』の著者であるスタイルアクト株式会社代表取締役の沖有人氏の監修により作成しました。 スタイルアクト株式会社では、相続納税ニーズから生まれた土地売却の仕組み『スタイルランド』を提案しています。