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空き家の基礎知識

活用を検討する前に② 税金の仕組みを理解しておトクに売ろう

売却後に手元に残るお金を計算する

売れる価格がわかったら、次はそこからいろいろな手数料や税金を差し引いて、いくら手元に残るかを確認します。損得の判断はあくまでも手元に残る金額をペースに比較する必要があるからです。

売れた場合はまず、売却価格の3%+6万円に消費税を加えた仲介手数料を不動産仲介会社に払わなければなりません。 加えて、売ったら含み益が出る場合は、売却益(譲渡所得)に所得税や住民税|(譲渡を受けてから5年以内の売却では約40%、5年超なら約20%)がかかります。

売却益というのは、「売れた価格」から「買ったときの価格」を差し引いたものですが、問題はその物件を親などがずっと昔に買っていたり、 先祖代々受け継いでいて、買ったときの価格がわからない場合です。そういう場合は、税金の計算上は、売れた価格の5%を、買ったときの価格とみなして計算します。 ただそうなると売れた価格の95%に税金がかってしまいます。

具体的に言うなら、たとえばみなさんの空き家が1,000万円で売れたとすると、950万円が売却益となり、これに20%の税金がかかると190万円を支払わなくてはならないわけです。

買ったときの価格を自分で設定する方法

日本では税金を払う側が自分で税額を計算して申告するのが基本なので、買ったときの価格を合理的に税務署に対して説明できれば、 それが認められることがあります。たとえば次の方法で、買ったときの価格を自分で設定するのもひとつの方法です。

一般社団法人日本不動産研究所が発表している「市街地価格指数」というデータがあります。これは戦前から全国主要都市の宅地価格を指数化しているものですが、 これを使って買ったときの価格を類推し、税の申請をすることは可能です。一般的には、昭和30年以降であれば、「売れた価格」の5%は上回ると言われていますので、やる価値は大いにあります。

土地・建物を売った場合の税金

所有期間による区別

所有期間 判定
5年以下の土地・建物等 短期譲渡所得
5年を超える土地・建物等 長期譲渡所得

所有期間、利用区分による税率

短期
5年以下
居住用 39.63%
(所得税 30.63% 住民税9%)
非居住用 39.63%
(所得税 30.63% 住民税9%)
長期
5年超
居住用 20.315%
(所得税 15.315% 住民税5%)
非居住用 20.315%
(所得税 15.315% 住民税5%)

空き家を売るなら住んでからがトク

売却益(譲渡所得)にかかる税金について言えば、実は空き家を売るなら、いったんそこに自分で住んでからのほうが有利になるケースがあります。

住むことで空き家はマイホームになります。マイホームの売却益(譲渡所得)にかかる税金にはいろいろな特例があり、優遇されているのです。

たとえば「居住用財産の3,000万円特別控除」は、売却益(譲渡所得)から最高3,000万円が差し引かれた上で税金が計算されます。 しかもその空き家が夫婦の共有名義であればそれぞれ3,000万円、合計6,000万円まで利用でき、この空き家に夫婦で5年以上住んだとなれば、税率は20%ですので夫婦合わせて6,000万円×20%=1,200万円も手取り額が増えます。

あるいは「居住用財産の軽減税率の特例」も使えます。譲渡所得のうち6,000万円までの税率が所得税、住民税合わせて14.21%に軽減されるのです。 空き家を売った(譲渡した)年の1月1日において土地も建物も所有期間が10年を超えるなど一定の条件がありますが、これは「居住用財産の3,000万円特別控除」と併せて使えます。

特に空き家が地価の高いエリアにあったり、非常に広い土地を含む場合は、いったん自分で住んでマイホームにしてから売るというのは有力な選択肢だと思います。

ただし、これらの特例の適用を受けるには、実際にマイホームとしてそこに住み、生活していることが必要です。 場合によっては税務署から、そこに住んでいたことの確認として電気代やガス代の領収書の提示を求められることもあるようです。 住民票だけ移しておくような実態のない「マイホーム」の主張は、通らないということです。

まとめ

一生にそう何度もある売買ではないため見落としがちですが、不動産の売買には税金や手数料が発生します。それも動くお金が大きいだけにかなりインパクトの高い金額になります。

一方で、税金の優遇措置や国や自治体による各種制度や補助金なども色々ありますので、詳しくはその地域の役場や専門家に相談することをおすすめします。これらの制度を有効に活用してより多くのお金が手元に残るようにしましょう。

本コンテンツは、『空き家は2018年までに手放しなさい(SB新書、2016年1月)』の著者であるスタイルアクト株式会社代表取締役の沖有人氏の監修により作成しました。 スタイルアクト株式会社では、相続納税ニーズから生まれた土地売却の仕組み『スタイルランド』を提案しています。